5000万への道のり

仕事で挫折したから投資を始めた|昇給を諦めた日から変わったこと

課長職を降り、一生平社員を覚悟した30代後半。そこから投資信託で資産形成を始めて人生が変わった実体験を語ります。

なんで投資を始めたのか

よく聞かれるんですけど、カッコいい理由じゃないです。仕事で挫折して、昇給の望みがなくなったから。めちゃくちゃ後ろ向きなスタート。「将来を見据えて計画的に…」とか全然なくて、追い込まれてやむなく始めた感じです。

結果的には大正解だったんですけどね。ただ、そこに至るまでがまぁまぁしんどかった。

疲れたビジネスマン

課長になったら壊れかけた

30代後半で課長になって、同じタイミングで妻の妊娠がわかった。嬉しかったんですけど、悪阻がかなりひどくて、家のことはほぼワンオペに。朝は家事してから出社して、課長の仕事こなして、帰ったらまた家事。夜中に妻の具合が悪くなることもあって、まともに寝れない日が続いた。

車で言ったらレッドゾーンぶん回してる状態。当時の自分に「お前それエンジン焼き付くぞ」って教えてあげたかった。

よく「ワークライフバランス」って言うじゃないですか。あれ、両方がMAXだとバランスもクソもないんですよね。仕事100%、家庭100%、合計200%。人間のキャパは100%しかないのに。

結局、心のバランスが崩れて1ヶ月ほど休職。復帰のタイミングで課長を降りました。「頑張っても限界がある」ということを、30代後半にしてようやく身体で理解した感じです。

休職中に何してたかというと、正直あんまり覚えてない。ただぼーっとしてた日も多かったと思う。でもその「何もしない時間」がたぶん必要だった。それまでの自分は、何もしてない時間=サボってる、みたいな感覚だったんで。

一生平社員、確定

課長降りたら昇進のレールには戻れない。「あぁ、俺はもう一生平社員だな」と。

まぁ一回壊れかけてるんで、もう一回あの修羅場をやる気力はゼロだったし、それはいいんです。ただ冷静に考えるとヤバい。昇給なし=今の年収がほぼ天井。子どもは生まれる、家も買いたい、教育費もかかる。なのに給料は増えない。

…詰んでない?ってなりました。

ここで面白いのが、「昇進しなきゃ」というプレッシャーから解放されたら、逆に頭がクリアになったこと。出世レースから降りたことで、「じゃあ給料以外で何ができるか」っていう方向に考えが向いた。

追い詰められると人って意外と冷静になるのかもしれない。もしくは、もう失うものがなかったのかもしれない。

周りの同期はそのまま管理職として上がっていってるわけで、正直羨ましくないかと言えば嘘になる。でも羨ましがったところで体がもたないのは証明済みなので、そこは諦めるしかなかった。諦めるって言うとネガティブに聞こえるけど、「自分には合わない道を手放した」と考えれば、まぁ悪くない判断だったのかなと今は思います。


FPに相談しに行った

子どもが生まれて半年くらいして、生活がようやく落ち着いた頃。家も買いたかったのでファイナンシャルプランナーに相談しに行ったんです。

最初は住宅ローンの相談だけのつもりだったのが、話してるうちに「ところで資産運用はされてますか?」と聞かれて。「いや、貯金だけっす」と答えたら、NISAとiDeCoの話になった。

家を買うのと投資を同時に始めるのってどうなの、と思うかもしれない。僕も最初は「住宅ローン抱えて投資なんて大丈夫か?」と不安だった。でもFPに言われたのは「住宅ローンの金利と投資信託の期待リターンを比べてみてください」と。当時の住宅ローン金利は1%以下。インデックスファンドの長期平均リターンは年4〜6%。数字で見ると、ローン返済を急ぐよりNISAで積み立てたほうが合理的だった。もちろん精神的に借金が嫌って気持ちはあるけど、数字は嘘つかないので。

いや、NISAの存在は知ってたんですよ?でも「なんか面倒くさそう」で止まってた。ちゃんと調べたら「税金優遇されるのに使ってなかったの、もったいなくない?」ってなって。

たぶんこれ、読んでる人の中にも「知ってるけどまだやってない」って人いると思います。僕がそうだったんで気持ちはわかる。でも「知ってる」と「やってる」の間には、けっこうデカい溝がある。あのとき一歩踏み出せたのは、課長降りて「給料だけじゃマズい」って切羽詰まってたからだと思う。

余裕がある人ほど動かないんですよね。皮肉なことに。

個別株で懲りてたのがよかった

投資自体は初めてじゃなくて、以前に個別株をやってたんです。

これがまぁ、見事に向いてなかった。「上がりそう!」で買うと下がるし、「もうちょい待とう」で売り時逃すし。毎日チャート見てソワソワする生活、胃に悪すぎて結局やめた。

あと個別株って、ちょっと利益出ると「俺、才能あるかも」って勘違いするんですよ。で、調子に乗って大きく賭けて負ける。典型的なやつです。周りにもいませんか、「株で儲けた」って言う人。だいたいトータルで計算すると微妙だったりする。

だから投資信託の仕組みを知ったとき「あ、これ俺向きだわ」とすぐ思った。自分の余計な感情が入らないんですよ。毎月決まった額を積み立てるだけ。インデックスファンドなら個別の株価なんて気にしなくていい。

仕事で「頑張りすぎて壊れた」人間にとって、頑張らなくていい投資はありがたかった。というか、頑張ると逆に負けるタイプの投資法なので、怠け者向きとすら言える。

投資とお金のイメージ

貯金1000万が口座で冬眠してた

当時、貯金がちょうど1000万くらいあって。コツコツ貯めてきたけど、銀行口座でぐっすり寝てるだけ。利息が年間数百円とかの世界。

「お金を寝かせておくのはもったいない」って話はよく聞くけど、1000万が年間数百円しか生まないのを見ると、もったいないっていうか、もはやギャグ。コンビニでコーヒー買ったら一瞬で消える金額を、1000万が一年がかりで稼いでくれてるわけです。

全額突っ込んだりはしてないです。生活防衛資金として半年分の生活費は手元に残して、残りの一部を投資信託に移した。毎月の積立もスタート。最初は月3万くらいから。ビビりなので。正直もっと入れてもよかったけど、住宅ローンも始まったばかりだし、子どもの急な出費もあるし、最初から飛ばす必要はないと判断した。

今まで寝てるだけだったお金がちゃんと動き始めた感覚、これがけっこう気持ちいい。給料が増えないなら、お金に稼いでもらえばいいじゃんと。そう考えたら、昇給できない自分のことをそこまで責めなくてよくなった。

あと地味に大きかったのが、「会社以外にお金の流れがある」という事実そのもの。金額の大小じゃなくて、給料一本に依存してない状態ってだけで精神的に楽になる。会社でイヤなことがあっても「まぁ別の柱もあるしな」と思えるのは大きい。

最初の2〜3年はマイナスもあった

夢のない話をすると、最初の1〜2年はほぼ横ばいで、マイナスの時期もありました。

「やっぱダメかな」と何度か思った。でも個別株で「短期で結果を求めると死ぬ」と身をもって学んでいたので、ひたすら放置。証券口座のアプリを開く頻度も、最初は毎日だったのが、そのうち週一になって、月一になって。

見ないほうが精神衛生上いいんですよ、これ。含み損のときにアプリ開いてもいいことない。見たところで自分にできることは何もないし。「見ない」がインデックス投資の最強戦略かもしれない。

2〜3年経ってようやくプラスが見えてきた。しかも一度プラスに転じてからは、複利の効果で増え方が加速していく感覚があった。最初の1年で数万円しか増えなかったのが、3年目以降は年間で数十万円単位になっていく。同じことをしてるだけなのに。

個別株で痛い目見た経験がここで活きたのは皮肉ですけど、まぁ失敗も無駄じゃなかったってことで。

ちなみに妻にはどう話したかというと、投資を始めるときに一応説明はしたけど、反応は「ふーん、任せる」くらい。うちは家計の運用は僕がやってるので、あんまり口出しされない。これはありがたい反面、全部自分の責任なのでプレッシャーでもある。マイナスが出てるときに「大丈夫なの?」って聞かれないのは楽だけど、誰にも相談できないのはちょっと孤独だった。


山の朝日

別の柱は早めに作っておいたほうがいい

仕事が順調な人も読んでくれてるかもしれない。昇進もしてるし評価もされてて、投資とかまだいいかなって。

僕も課長になった時点ではそう思ってたんですよ。このまま上がっていくぞって。でも仕事が順調でも、いつダメになるかわからない。体調とか家族の事情とか会社の都合とか、理由は色々ある。

投資信託の積立は月1万からでも始められます。大げさなことをする必要はなくて、とりあえず種だけ蒔いておけばいい。芽が出るまで2〜3年かかるけど、蒔かなきゃ永遠に芽は出ない。

僕はたまたま挫折がきっかけだったけど、挫折しなくても始められるなら、そっちのほうがずっといい。追い込まれてから動くのと、余裕があるうちに動くのとでは、精神的な負担がぜんぜん違うので。

余計なお世話かもしれませんが。