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税金・制度 · 9分で読める

都内の中古マンション平均1.2億。変動金利の「5年ルール」を知らずに借りた自分が、今思うこと

都内の中古マンション平均1.2億。変動金利の「5年ルール」を知らずに借りた自分が、今思うこと

都内の中古マンション、平均1億2,000万円。

2026年2月のニュースを見た瞬間、思わず声が出ました。「買える人、いるのかな」と。

8年前、自分が中古マンションを買ったとき、物件価格は3,500万円でした。それでも高いと思って、3,000万〜5,000万の間で何件も内見を回った記憶があります。

あの3,500万が、今は1億2,000万。3.4倍。同じ物件の話ではないにせよ、東京のマンション市場がどれだけ変わったか。数字が現実離れしすぎていて、ニュースを見ても実感が湧きません。

そして、今の変動金利は1%を超えました。自分が借りた2018年頃は0.45%だったのに。

マンション価格は3.4倍。金利は2倍以上。これから家を買う人、本当に大丈夫なのか。そして既に変動金利で借りている人——自分を含めて——は「5年ルール」の意味を正しく理解しているのか。

さて。

都市部のマンション群

8割が変動金利を選んでいるという事実

住宅金融支援機構の調査を見ると、2026年1月時点で変動金利を選んでいる人は約75%。国土交通省の2025年度調査だと84.3%。5人に4人が変動金利です。

自分もそのひとり。

2026年4月時点の主要銀行の変動金利はこうなっています。

銀行適用金利(最優遇)
三菱UFJ銀行0.945%
三井住友銀行1.275%
みずほ銀行1.225〜1.675%
PayPay銀行0.980%
auじぶん銀行1.134%
住信SBIネット銀行1.200%

15年ぶりに適用金利1%超えの時代に突入した、とニュースが報じています。

自分がPayPay銀行で借り換えたときは0.6%でした。今の新規借入は0.98%。同じ銀行で借りても、もうあの条件には戻れません。

「5年ルール」を銀行は教えてくれなかった

正直に書きます。

自分が変動金利で3,000万円を借りたとき、「5年ルール」の説明は受けていません。不動産屋に軽く聞いた記憶はありますが、銀行からは手続きの説明だけでした。

8割の人が変動金利で借りていて、そのうち何割がこのルールを正しく理解しているのか。たぶん、かなり少ないと思います。

だから、ここでちゃんと説明します。

変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」という2つの仕組みがあります。

まず5年ルール。変動金利は半年ごと(4月と10月)に金利が見直されますが、月々の返済額は5年間変わりません。金利が0.6%から1.5%に上がっても、毎月の引き落とし額は同じ。

「え、それなら安心じゃないですか」と思った方。ここが罠です。

返済額は同じでも、中身が変わっています。利息の割合が増えて、元金の返済が進まなくなる。毎月ちゃんと払っているのに、借金が減らないという状態が起きます。

極端な例を出すと、金利が急上昇した場合、月々の返済額では利息すら賄えなくなることがある。これが「未払い利息」です。毎月返済しているのに残高が増えていく。ホラーみたいな話ですが、仕組みとしてはあり得ます。

電卓とスプレッドシートで計算

125%ルールも「安全装置」ではない

次に125%ルール。5年後に返済額が見直されるとき、増額の上限が前回の125%(1.25倍)に制限されます。

月15万円なら、最大でも18万7,500円まで。一気に倍になることはない。

でもこれ、返済の先送りにすぎません。

125%に制限された分、本来払うべき元金が後ろに押し出される。35年の返済期間が終わったとき、残った元金と未払い利息は一括返済です。最悪の場合、自宅を売るしかなくなる。

5年ルールと125%ルールは「返済額のショックを和らげるクッション」であって、「借金が減る仕組み」ではありません。

ソニー銀行には5年ルールがなかった

ここで、自分の経験を書きます。

自分は最初、ソニー銀行で変動金利0.45%(+ワイド団信0.2%で実質0.65%)で借りていました。その後、ソニー銀行の金利が0.9%に上昇。ワイド団信込みで1.1%になりました。

で、気づいたのは「いつの間にか返済額が上がってた」こと。通帳を見て、一瞬何の引き落としかわからなかった。住宅ローンの口座なのに、ちょっと額が違う。調べたら金利変動で返済額が増えていました。焦るというより、呆然。

あれ?5年ルールがあるんじゃないの?

実はソニー銀行は5年ルール・125%ルールが適用されない銀行でした。金利が上がったら、即座に返済額に反映される。知らなかった。

SBI新生銀行も同じく非適用です。自分の銀行がどちらのタイプか、確認していない人は今すぐ調べたほうがいいです。

結局、自分はPayPay銀行に借り換えて0.6%に落ち着きました。通常の団信にも通って、ワイド団信の上乗せ分(年間約6万円)もなくなった。これは借り換えて良かったケースです。

金利が上がったら、月々いくら増えるのか

ここからはシミュレーションです。

日銀の政策金利は現在0.75%。野村證券のメインシナリオでは2027年に1.5%到達。変動金利の適用金利は1.5〜2.5%まで上がる可能性があります。

都内の中古マンションを買う場合の、借入額別シミュレーションを作りました。当初金利0.5%・35年返済で借りて、5年後に金利が上がった場合の月々返済額の変化です。

借入5,000万円(城東・城北エリアの相場帯)

5年後の金利月々返済額当初との差額(月)年間の負担増
0.5%(変わらず)129,793円
1.0%139,532円+9,739円+約12万円
1.5%149,718円+19,925円+約24万円
2.0%160,346円+30,554円+約37万円

借入7,000万円(城南・城西エリアの相場帯)

5年後の金利月々返済額当初との差額(月)年間の負担増
0.5%(変わらず)181,710円
1.0%195,345円+13,635円+約16万円
1.5%209,605円+27,896円+約33万円
2.0%224,485円+42,775円+約51万円

7,000万円を変動で借りて、金利が2%になったら月4万円以上の負担増。年間で51万円。これは手取りに直結するインパクトです。

そして都心3区(千代田・中央・港)の平均は70m²換算で約1億6,000万円(不動産経済研究所調べ)。8,000万円借りて金利2%なら月4.9万増、年間59万円増。

数字を見て思うのは、今の東京でマンションを買うのは相当なリスクだということです。

「低金利でマンション代が釣り上がった」構造

自分がマンションを買った2018年頃、変動金利は0.4〜0.5%でした。金利が安いから月々の返済は楽。でも不動産屋もそれをわかっている。

「月々の返済額が同じなら、物件価格が高くても買える」という心理を使って、価格がどんどん吊り上がっていった。低金利で浮いた分が、そのまま不動産価格に乗っていた感覚です。

金利が安くても、物件が高い。結局トントン。当時はそう思っていました。

でも今は、金利も上がっている。マンション価格も上がっている。両方高い。

さすがに今は買い時じゃない、というのが自分の正直な感想です。金利の上昇に合わせてマンション価格が下がらないと、誰も買えなくなる。

ただ、不動産ってギャンブル要素が強すぎる。「今買わないと一生買えない」と2018年にも言われていたし、実際にあの時買って正解だった。自分の3,500万は今4,500〜5,000万くらいの価値があるかもしれません。

結論としては、「変動金利が2%になっても返せる金額で借りること」。シンプルすぎてつまらないけど、自分が8年かけて出した答えはそれでした。

住宅の鍵と契約書

変動金利の人が今やるべきこと

既に変動金利で借りている人に向けて、自分がやっていることを書きます。

まず一個。自分の銀行が5年ルール適用かどうか確認する。ソニー銀行やSBI新生銀行みたいに、非適用の銀行がある。自分はこれを知らなくて、いつの間にか返済額が上がっていた。8年前の自分に教えてやりたい。

あとは固定金利の動向。変動との差が縮まってきたら、借り換えを検討するタイミングです。今はまだ変動のほうが安いけど、差は確実に縮まっています。

一番大事なのは、自分なりの「判断ルール」を先に決めておくこと。自分の場合は「2%台で見直し、3%超えで一括返済を検討」。ルールがないと、金利が上がるたびに不安になるだけです。金利が上がったときに慌てて判断すると、だいたいロクなことにならない。

数字を見て判断する、の繰り返し

8年前に3,500万で買ったマンション。変動金利0.45%でスタートして、途中で0.9%に上がって焦って借り換えて、今は0.6%。

あの判断が正しかったかは、結果論でしかわかりません。

ただ、5年ルールを知らなかった自分と、知った上で判断できる自分では、次の金利上昇への対応が全然違います。

不動産も金利もギャンブル要素が強い。だからこそ、ルールを知っておく。数字を見て判断する。8年かけて学んだのは、それだけです。

変動金利を借りている側の正直な気持ちは、Noteに書きました。計算では見えない部分の話です。

※この記事は個人の体験と調査に基づくものであり、投資・不動産の助言ではありません。住宅ローンの判断は各自の状況に合わせてご検討ください。

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